お母さんのための「なるほど算数」

お母さん方の学びに対する不安や悩みを解消し、子どもたちを算数・数学好きにするブログです!

タイル図から数のかけわり図へ

 かけわり図が使えるようになると、問題の意味をとらえやすくなったり、立式しやすくなったりします。ここでは、タイル図から数のかけわり図に変えていくまでを見ていきます。

 

 

1.タイル図のかけわり図

 

 例えば、下の図のように、1箱4枚入りのガムが5箱あるとします。

 

ガム5箱のイラスト


  箱は入れ物のように表し、ガムの枚数はタイルで表します。線で十字にしきった左下に箱の図、左上にガムのタイル図を書きます。右下には、箱の図を5つ分書き、右上を「?」とします。これはガム全部の枚数を表します。

 

タイル図のかけわり図

 

 左の上下から「1箱当たり4枚」を表し、それが「5箱分」あるのですから、「?」は「4枚/箱×5箱=20枚」となります。

 

タイル図のかけわり図全面

 

 上の図のタイルをくっつけて、枠を整えて表のようにしたのが、下の図です。

 

タイル図のかけわり図の表化

 

2.数のかけわり図へ

 

 先ほどの表化したかけわり図を、数に単位をつけて表してみたのが、下の図となります。

 

数で表したかけわり図

 

 最初はタイル図、理解が進めば数のかけわり図を用いていくとよいでしょう。あとは、問題文を読み、何を求めるのかをとらえる必要があります。問題文に書かれている数値をかけわり図にあてはめていき、求める数は「?」とします。

 

 「?」の位置がどこなのかで、「かけ算」、「等分除」、「包含除」を判断し立式していきます。子どもたちには、「等分除」、「包含除」は難しい算数用語ですが、それぞれ「ワクワク算」、「ドキドキ算」などと表現すれば理解しやすいでしょう。

 

 以下に、「かけ算」、「等分除」、「包含除」の例を示しましたが、具体的な問題とかけわり図を用いた解法については次回以降にします。

 

かけ算の解法となるかけわり図

等分除を解法とするかけわり図

包含除を解法とするかけわり図

 

3.「倍」で簡単に考えることへの不安

 

 私は、かけわり図にも助数詞や単位をつけてはどうかと考えています。数だけになると、「倍」で考えてしまう場合もあるからです。ガムのような問題で、本当に「倍」を持ち込む必要はあるのでしょうか。ガムのような問題は、量に関わる問題ですから、わざわざ「倍」を持ち込まなくても、「量」としてとらえ、「かけ算」、「等分除」、「包含除」の考え方を用いればスッキリするのではないかと考えます。

 

 下の図は数だけですので、「比例関係」を前提にして「倍」を用いています。

 

かけわり図に倍を用いた例1

 

かけわり図に倍を用いた例2

 

 上の最初の図は「5は1の5倍」だから「4の5倍」、次の図は「5は1を5でわればよい(1/5倍)」から「20も5でわればよい(1/5倍)」などのように「比例の関係」を前提にして「倍」で処理しようとしています。

 

 日本の教科書では、「倍」に関する単元がなく、各学年で細切れに教えられています。そこに、子どもたちの生活経験の差が出てくるので、「倍」の概念に対する理解には個人差があるように思います。

 

 もちろん、「倍」の考えを用いることでスッキリいく問題もあるのですが、先ほどの「量」のような問題は、「量」の問題としてとらえることや「倍」の概念を形成するためにはもっと「倍」を体系的に学習する必要性を感じています。「倍」について、なんとなくの理解でなんとなく解けてしまう子どもたちが多くいる気がしてなりません。

 

 感覚をことばで表すのはたいへん難しいのですが、「全部の枚数20枚」を求めるとき、

 「1箱が5箱になったから、5倍、だから4枚×5倍=20枚」ではなく、

 「1箱あたり4枚だから、5箱分を求めるにはかけ算、だから4枚/箱×5箱=20枚」

と素直に考えていきましょう。この感覚、ことばで表すのは本当に難しいです。

 

 なお、「倍」を用いた式については、「4枚×5倍=20枚」のようにかけられる数の単位がそのまま生かされると考えています。そのような点では、「倍」は便利かもしれません。でも万能な考え方ではないとも考えています。

 

 次回以降、具体的な問題をかけわり図を用いて考えていきますね。