では、本格的に型分けをして、計算方法を確認します。
1.「8+6型」
この計算の特徴は、たされる数、たす数ともに「5のかんづめ」と「バラ」があることです。また、「5+○」「○+5」も含めます。以下の図の黄色い部分で、15」題あります。
「8+6」「8+7」「8+8」「7+6」「7+7」「7+8」「6+6」「6+7」「6+8」
「5+6」「5+7」「5+8」「8+5」「7+5」「6+5」
の15題です。
2.計算の仕方
「8+6」の式を見せると、答えは10より大きくなりそうなことをお子さんは予想すると思います。ですので、「十進位取り記数法」の理解を深めるためにも、マス目のある筆算形式のシート上でタイル操作をしていきます。答えは、数でよいかなと考えます。
「5・2進法」で表すと、次のようになります。
「5のかんづめ」が目につきますので、この2つを合わせれば「10のかんづめ」が1本できます。あとはバラをたして・・・という具合です。
では、「5のかんづめ」を用いない教科書では、どのような方法になるでしょうか。「5のかんづめ」がないので、「10の補数」を考えたり、「かぞえたし」をしたりします。「10の補数」については決して悪いわけではありませんので、お子さんの理解の状況をみて認めてあげればよいと考えます。
教科書では、「5のかんづめ」は用いませんが、下の図のように「5のまとまり」を意識させるため2段に表すことはあるようです。「10の補数」で考えると、あと「2」で「10」になりますから、「6」を「2」と「4」に分けて、「2」と「8」と合わせる方法になります。
「5のまとまり」をまったく意識しないバラのタイルだと、下の図のように、数を認識するために「かぞえたし」をやってしまいそうですね。上の段の8個に、「8、9、10」として左に10個のタイルを移すような感じです。
「5のまとまり」を意識させる「5・2進法」は、どの子にも理解しやすい方法だと考えます。
3.筆算
タイル図をもとに、筆算も学んでいきましょう。「5・2進法」の筆算としては、以下のような筆算を見たことがあります。「たされる数8」の両側に少し小さく「5」「3」、「たす数6」の両側に「5」「1」と補助数を書く筆算です。
私たちが学んだ補助数の書き方は、「十の位」の上に「1」と書く方法が一般的だったのではないでしょうか。下の図の方法は、学び悩んでいるお子さんにはとても分かりやすい方法であると考えます。
他にも補助数の書き方はいろいろ考えられますので、お子さんが理解しやすい方法を選択されればと考えます。ある程度練習をかさねれば、頭の中で「5・2進法」がイメージできますので、そのうち、補助数なしでも少しずう計算力が上がっていくはずです。