お母さんのための「なるほど算数」

お母さん方の学びに対する不安や悩みを解消し、子どもたちを算数・数学好きにするブログです!

子どもたちを算数・数学好きにするために

 皆さん、こんにちは。算数や数学の指導法について、お母さん方に分かりやすい指導法を発信したいと考え、このブログを始めました。私の指導法は、遠山啓先生が提唱された「水道方式」をベースにしています。これに、私が知り得たことを加え、分かりやすくお伝えしようと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

 1.私の願い


保護者の方々から、「子どもたちに算数を教えたいけど、教え方が分からない」ということをよく聞きます。そんな保護者の方々の一助になれば、という思いからこのブログを始めました。目的は、算数の教科書を解説しながら子どもと保護者をつなぎ、保護者にも分かりやすい指導法を伝え、「保護者の悩みや不安を解消すること」「算数好き・数学好きの子どもたちを増やすこと」にあります。
 
いきなりですが、皆さん、PISA調査というものをご存知かと思います。OECD経済協力開発機構)による学習到達度調査のことで、義務教育修了段階の15歳児を対象に、 2000年から3年ごとに、読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野で実施されています。日本は、高校1年相当学年が対象だそうです。PISA2018の結果では、「数学的リテラシー及び科学的リテラシーは、世界トップレベル。調査開始以降の長期トレンドとしても、安定的に世界トップレベルを維持。」と評価されています。これだけ読むと、日本の子どもたちは、算数や数学がよくできるのではないかと思われがちですが、私は楽観視できないと考えます。現実には、多くの子どもたちが算数や数学の理解に苦しんでいます。算数嫌い、数学嫌いの子どもたちは少なくありません。保護者の方々もそんな子どもたちを見て、多くの不安や悩みを抱えていらっしゃいます。特に、いつも身近で子どもたちと接しているお母さん方は、深い悩みを抱えていらっしゃるのではないでしょうか。そんなお母さん方やお子さん自身に、「なるほど、そういうことか」と腑に落ちるような算数・数学の内容をお伝えしたいと考えます。

2.日本の子どもたちの現実

日本では、平成19年度より全国学力・学習状況調査が実施されるようになりました。毎年、類似問題が出題されていますので、結果を経年比較することが可能です。ここでは、2013年度と2018年度の小学校6年生算数Aの類似問題の結果を比較してみることにします。「単位量当たりの大きさを求める除法の式と商の意味を理解しているかどうか」をみる問題です。興味深い結果が出ています。できれば、問題にもチャレンジしてみてくださいね。問題の概要は、以下のようなものです。

 

(2013年度の問題)

長方形の形をしたAとBの2つのシートがあります。Aには、「12人が6㎡」のシートに座り、Bには、「8人が5㎡」のシートに座っています。どちらのシートの方が混んでいるかを調べるために、下の計算をしたそうです。
 A  12÷6=2
 B   8÷5=1.6

ここで、以下のことが問われました。

 

上の計算からどのようなことがわかりますか。次の1から4までの中から1 つ選んで、その番号を書きましょう。

1 1㎡あたりの人数は2人と1.6人なので、Aの方が混んでいる。
2 1㎡あたりの人数は2人と1.6人なので、Bの方が混んでいる。
3 1人あたりの面積は2㎡と1.6㎡なので、Aの方が混んでいる。
4 1人あたりの面積は2㎡と1.6㎡なので、Bの方が混んでいる。

 

さて、皆さんは何番をお選びになりますか。正答を紹介する前に、2018年度の問題も見てみましょう。

 

(2018年度の問題)

長方形の形をしたウとエの2つのシートがあります。ウには、「16人が8㎡」のシートに座り、エには、「9人が5㎡」のシートに座っています。どちらのシートの方が混んでいるかを調べるために、下の計算をしたそうです。
 ウ  16÷8=2
 エ   9÷5=1.8
2013年度と同じく、以下のことが問われました。    

 

上の計算からどのようなことがわかりますか。次の1から4までの中から1つ選んで、その番号を書きましょう。

1 1㎡あたりの人数は2人と1.8人なので、ウの方が混んでいる。
2 1㎡あたりの人数は2人と1.8人なので、エの方が混んでいる。
3 1人あたりの面積は2㎡と1.8㎡なので、ウの方が混んでいる。
4 1人あたりの面積は2㎡と1.8㎡なので、エの方が混んでいる。


さて、こちらは何番でしょうか。

 

どちらも正答は「1番」です。2013年度の小学校6年生の正答率は50.2%で、2018年度の小学校6年生の正答率は50.3%でした。

 

いかがですか。ここで、日本の子どもたちの現実が浮かび上がってきます。5年経っても、子どもたちの「単位量当たりの大きさ」についての意味理解については、改善されていなかったことです。これは、日本の算数・数学教育の実情を表しているともいえます。数値の低さにも驚かされます。日本の子どもたちの2人に1人は、「単位量当たりの大きさ」の意味をよく分かっていないということです。ここでは、紹介しませんが、「割合」に対する意味理解も低いです。「計算はできるけれど、その意味をあまり理解していない」日本の子どもたちの現実が浮かんできます。現在の算数・数学教育の現状を考えると、子どもたちの誰もが「なるほど!」と思える段階に到達するのは難しいのではないかと心配しています。

3.これから取り組みたいこと

私は、日本の教師はたいへん勤勉で真面目、優秀であると思っています。ただ、忙しすぎて日々の教材研究にかける時間は少なくなりがちです。子どもたちが学ぶ日本の教科書も、その中で取り扱われる数値にまで配慮がなされ、よくできていると思います。ですが、子どもたちの意味理解に寄り添い切れていない現実もあります。

 

そんな現実を受け止めて、私は、「算数や数学の教科書の中で、子どもに寄り添い切れていない部分を解説」しながら子どもと保護者をつなぎ、保護者にも分かりやすい指導法を伝えます。そして、「保護者の悩みや不安を解消すること」「算数好き・数学好きの子どもたちを増やすこと」に努めたいと思っています。

 

ブログでは言葉が中心になってしまいますので、手作りの教具なども写真として掲載しながら、できるだけ分かりやすく伝えてまいります。皆さんの教育に対する不安や悩みの解消の一助となれば幸いです。どうぞ、よろしくお願いいたします。