では、次にひき算を確認します。ひき算自体がたし算よりも難しいと感じるので、今回はできるだけシンプルに考えてみました。
1.どのような計算か
まずは、100マス計算の分布図で確認します。
左の縦の欄が「引かれる数」、上の横の欄の数が「引く数」です。引かれる数は10から19までの10個、引く数も0から9までの10個としています。これらの「2桁の数-1桁の数」における繰り下がりのある計算ができるようになれば、数が大きくなっても困らないと考えます。
赤色の部分については、「5までのひき算」「9までのひき算」をご覧ください。取り上げるのは、白色の部分36題になります。
2.考え方の大きな方向性として
「5・2進法」で考えると、細かく型分けを紹介している資料もあります。が、もしお母さん方がお子さんと学ぶのであれば、今回の型分けはあまり複雑でない方がよいのかもしれないと考えました。
「9までのひき算」で紹介した「7-3」についておさらいをしてみましょう。「5・2進法」と「教科書」ではそれぞれ以下のような考え方でした。
「5・2進法」では・・・
「教科書」では・・・
「5・2進法」と「「教科書」の考え方の大きな違いは、数を「5のかんづめ」で認識するか「すべてバラのタイル」で認識するかの違いです。「5のかんづめ」で認識した方が、数がいくつか判断しやすいです。
そして、「7-3」のようなひき算の場合の大きな特徴は、「5のかんづめ」を「5のびんづめ」にして、「5のびんづめ」からひいて、残りのバラタイルをたすという点にありました。
では、「12-4」のように10といくつの2桁の数から1桁の数をひく場合にはどのように考えればよいでしょう。まず、「10のかんづめ」を「10のバラタイル」、ただし「5のかんづめ」と「5のびんづめ」にします。次に、「5のびんづめ」から「4」をひいて、残りのバラタイル「2」をたすという流れが思い浮かびます。
結果的には、教科書の「10の補数」の考え方とそれほど変わりはないように思います。
3.「12-4」では
では、実際に筆算のタイル図で確認してみましょう。
「12」の「一の位2」から「4」を取り去ることはできません。
そこで、「5・2進法」の考え方で、「10のかんづめ」を「十の位」の部屋から「一の位」の部屋に移します。そのとき、「10のかんづめ」を変身させます。
これで、「4」を取り去ることができます。「5のびんづめ」の方から「4」を取り去ります。
結果的には、教科書「10の補数」の方法と大差ないようですが、その根底には「5・2進法」で「5のかんづめ・びんづめ」を大切にしてきたことが生きています。
今回は、型分けにはあまりこだわらずに紹介しました。「10のまとまり」からひいて、残りのバラをたします。命名するとすれば、以前にも紹介しましたが、「ひくたす法」とか「減加法」と名付けることができます。
次回は、筆算をすべて数字で表記することと、「ひくひく法」、いわゆる「減減法」を確認していきましょう。