5までのひき算について、確認していきましょう。
1.問題文は「求残」で
ひき算の意味は3つありましたね。 「求残」「求補」「求差」の3つです。「求補」と「求差」の理解は、子どもたちにとって難しいので、「求残」の意味を教え、計算も「求残」の問題中心でよいのではと考えます。
念のため、それぞれの問題文を紹介します。
求残:リンゴが5個あります。2個食べると、何個残りますか。
求補:赤いカードと青いカードが5枚あります。そのうち、赤いカードは3枚です。葵カードは何枚あるでしょう。
求差:男の子が4人、女の子が2人います。どちらが、何人多いでしょう。
求残の問題が、内容に動きがあり、操作活動に結び付けやすいですね。もし具体物のリンゴがあればリンゴで、用意できなければタイル図や数図ブロックを利用しましょう。
2.「求残」を三角関係図で確認すると
三角関係図は、以下の図のことです。これに、先ほどの「求残」の問題文を当てはめてみましょう。
「求残」の問題をあてはめてみると・・・
タイル図や数図ブロックを使った操作活動では、「もとの数」「取り去る数」そして「残りの数」が分かるようにしないといけません。操作活動では、以下のことに気をつけましょう。
①もとの数・・・リンゴ5個のことなので、タイル図や数図ブロックを5個並べます。
②取り去る数・・・食べたリンゴ2個のことなので、2個分裏返します。色が変わるとよいですね。
③残りの数・・・2個取り去ったあとに残ったリンゴ3個のことです。
上記の中では、②の操作活動が大切かなと考えます。裏返すことで、「残る3個と取り去る2個」の状態を確認させます。これは、「求補」の状態と似ていますので、「求補」の意味理解を促す効果もあると思います。
3.三角関係図の部分を隠して
たし算と同じように、三角関係図の部分を消すと、より理解を深める練習ができます。
まずは、「問題文」だけ見せて、「タイル図」や「式と答え」を考えさせてはいかがでしょうか。「問題文」から、「式と答え」を考えて、分からなければ、「タイル図」で確認していきましょう。
「タイル図」に限らず、「図」には「理解するための図」と「説明するための図」の2通りの意味があります。
・理解するための図・・・問題文から式と答えが分からないので、題意を把握したり理解したりするために活用する図
・説明するための図・・・問題文から式と答えは分かる子が、他の子どもたちに説明してあげるために活用する図
すぐに式と答えが求められるお子さんでも、時々図で説明させてあげると、より理解が深まるのではないでしょうか。
次は、分解練習のような感じで、「タイル図」をみせて、「式と答え」を書かせる練習です。「図」と「式と答え」のつながりをより深める練習です。
最後は、「式と答え」から「問題文作り」です。式から問題文を作ることで、題意を把握する力がしっかり身についてきます。
4.計算練習をしっかりと
「5」までのひき算は、以下の10通りです。順番を変えたりして出題し、しっかりと習熟を図りましょう。
「5-1」「5-2」「5-3」「5-4」「4-1」「4-2」「4-3」「3-1」「3-2」「2-1」
迷ったら、タイル図や問題文を提示して、抽象(式)を具体(タイル図、問題文)に戻してあげましょう。