お母さんのための「なるほど算数」

お母さん方の学びに対する不安や悩みを解消し、子どもたちを算数・数学好きにするブログです!

「数」ってなんだろう?

前回は、日本の子どもたちの現実と私の思いを知っていただきました。今後、「たし算、ひき算、かけ算、わり算」をもう一度小学校1年生から復習していきますね。でも、その前に、「数の指導」について考えていきます。

 

私たち大人は、「1」や「2」、「3」など数字を見ても何の疑いもせず、そのまま受け入れて計算ができます。ですが、数字を初めて見る子どもたちにとっては、「数」って何だろうとよく分からない存在で全くイメージが描けていません。「数」とはそれほど抽象性の高いものです。数の概念を獲得するためには、頭の中でイメージできるものと数をつなげることが大切です。

 

 

1.なかまあつめ

 

いろいろなものを種類別に集めていくと、まとまりができます。その時に、いくつ集まったのかを表したり、また、ものによっては「重さ」や「長さ」などを表したりする必要性が出てきます。その時に、「数」が必要になってくるのです。「数」とは、ものの性質を「量」の観点から表現する性質の一つであると言えるかもしれません。

 

ものの「量」を認識するために、「なかまあつめ」がとても大切になってきます。例えば世の中には、リンゴやミカン、犬や猫、車や自転車、様々なものが存在します。これらは「具体物」と言われ、「同じなかまのあつまり」を認識することがとても重要になってくるのです。実際の生活の場面では、おもちゃの片付けをしたりお料理のお手伝いをしたりする時がチャンスだと思います。ぜひ、お子さんと一緒に「なかまあつめ」の視点で取り組んでみてください。ほんの少しの意識であっても、「意識する」のと「意識しない」のとでは、後々大きな差となって表れてきます。ご家庭で学ぶ強みは、「具体物を使えること」にあります。ぜひ「なかまあつめ」を意識してみてください。

 

とはいえ、いつも具体物を使えるわけではありませんので、以下の写真のように、イラストや絵が効力を発揮します。

 

くだものがバラバラの状態で写った写真果物のイラストを種類別に並べて撮った写真

 

私はネットから果物のイラストを取ってきて、左の写真のようなプリントを作りました。そして、それをハサミで切り取って、右の写真のようになかまあつめをしてみました。いろいろなイラストを使って、お子さんと「なかまあつめ」を楽しんでください。

 

右の写真では、「ミカンが3つ」「リンゴが4つ」あつまりました。ただ、これで「3」や「4」が理解できたわけではありません。

 

2.1対1対応

 

先ほど「数」は、「ものの性質の一つ」だと述べさせていただきました。例えば、リンゴには、その他にも「形」や「色」、「大きさ」などの観点で表現できる性質がいっぱいあります。「赤い」という表現は、リンゴの性質を表す最たるものではないでしょうか。算数や数学では、これらの他の性質に惑わされないことが大切になってきます。そのために、具体物であるリンゴと半具体物を一つずつ対応させる必要が出てきます。これを「1対1対応」と言います。半具体物としては、小学校では「数図ブロック」や「数え棒」が使われます。「水道方式」では「タイル」を使います。「タイル」は、算数・数学を学習するうえでとても優れており、ご家庭でも方眼紙から簡単に作れます。ぜひ、手作りの「タイル」でお子さんと楽しく学んでください。

 

下の写真は、左が小学校で使われる「数図ブロック」、右が「手作りのタイル」です。タイルは、2cm×2cmの大きさにして作ってみました。

 

小学校でよく使われる数図ブロック手作りの方眼紙タイル

 

そして、実際に果物のイラストとタイルを「1対1対応」させた写真が、下の写真です。

 

ミカンのイラストとタイルを1対1対応させた写真バナナ・ブドウのイラストとタイルを1対1対応させた写真

 

 左は、ミカンとタイルを「1対1対応」させました。右は、バナナやブドウをタイルと「1対1対応」させました。ここで、右の写真が特に重要になってきます。


右の写真は、タイル5つとバナナ5つ、ブドウ5つを1対1対応させたものです。バナナとブドウは色も形も大きさも全然違います。でも、タイルに対応させることで、色や形や大きさを判断の対象から除外していきます。これを、数学的用語で「捨象」と言い、算数や数学では大切な考え方の一つなのです。


いろいろな具体物を半具体物のタイルに落とすことで、色や形に惑わされることなく、バナナもブドウもまとまりとしては「5」なんだという概念を獲得していきます。子どは「5」と言われた時に、具体的なものを5つ想像できるようになってきます。捨象の考えがうまくできれば、象5頭もアリ5匹も大きさに関係なく「5」です。でも、大きさをうまく捨象できなければ、大きさに惑わされて、子どもは「象5頭の方がアリ5匹より多い」と答えるかもしれません。具体物を半具体物に落とす活動の大切さを感じます。

 

3.タイルを数で表すこと

 

どんなものでも、「なかまわけ」ができ、「1対1対応」されたタイルの量を「数」で表現することで、「数の概念」が出来上がってきます。

 

最後に、「具体物のミカンやブドウ」と「半具体物のタイル」、そして「数の3や5及び数詞のさんやご」を行き来できるようにすることで、数の概念が確かなものになってきます。

 

ミカン、タイル、数の三角関係を表した写真ブドウとタイルと数の5の三角関係を表した写真

 

私は上の写真のような「三角関係の図」で示すことが好きなので、今後よく見かけるかと思います。お子さんには、この三角関係のどこかを隠して示し、考えさせるとよい学びにつながると思います。例えば、具体物のミカン3個を示すことで、「タイルを3つ用意できるか」「数の3がかけるか」「3をさんと読めるか」などです。クイズのように楽しみながら数を覚えさせてあげてください。

 

先ほども申しましたが、おもちゃの片付けをしたりお料理のお手伝いをしたりする時が算数を学ぶとても良い機会となります。

 

ぜひ、ご家庭の生活の中で、楽しみながら算数を学んでいきましょう!